三流批評

難解な一流の批評。傲慢な二流の批評。そのさらに下層へ。

三流批評

色とは何か:アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」最終話の考察

色とは何か 色とは何か。その問いに、科学的応答を期待しているわけではない。僕は「色とは何か」と問うことで、人の意識の深淵に疑問を投げかけようとしている。 哲学に、「逆転クオリア」と呼ばれるようなアポリアがある。すなわち、僕が赤だと思っている…

令和元年の天皇論

もはや天皇制が問題として机上に上げられることなどありはせで、ほとんどの人々が天皇制を自明のものと考えており、そうでない者は特別にイデオロギーを背負った急進左派か、熱心などこかのカルトの信者である。 しかしそもそも天皇制とはいかなる制度である…

想像力について

二つの炎上 「参院選について」と題した記事で、僕はこの国の国民がより愚かになってきたと書いたが、それは「想像力」の欠如の問題である。 具体的に二つの炎上を見れば事足りると思う。 第一に、若槻千夏の炎上である。彼女は参院選の選挙速報で、次のよう…

参院選について

大衆の愚かさ 参院選が終わったが、それよりも前から、すでに国民の愚かさなるものは明らかにされているはずである。つまりそれは、結局一人ひとりが国の未来について考えていくなどという、理想的有権者・国民の姿は幻想に過ぎないことは明らかである。 そ…

アイドルについて

ジャニー喜多川氏の訃報が世間をザワつかせた。 その時考えさせられるのは氏が日本の男性アイドル文化の発展に対して負った多大な役割である。 そこでここでは、「アイドル」とはいかなるものなのかを、何ら先行研究を参照せずにつらつら述べていく。もちろ…

古市憲寿「百の夜は跳ねて」

僕は古市憲寿氏の「平成くん、さようなら」を読み、あるところで「登場人物のほとんど全てが古市氏本人の投影であるようにしか思えず、その点でモノフォニックである」と評した。 芥川賞の結果が発表される直前、世間は古市受賞なるかで盛り上がっているとこ…